西周 -1

ほぼ前11世紀〜BC771年

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利簋
陝西省臨潼県出土
高さ28p

 利簋の内側の底に32字の銘文があり、周の武王が商を征討し、甲子の日の午前商王の軍隊を撃ち破った史実が記載されています。最初の文字「珷」は「武王」の合文です。
 この銘文は、『尚書』牧誓などに、周の武王が殷を滅ぼしたのが「甲子の朝」であったという記述と合致しています。このことから、"牧野の戦"と呼ばれる殷周革命の勝利を予言するものとして、史料的にも重要です。
 書体は、殷の遺風を継承し、雄健でしかも雅致があり、西周初期金文の傑作といえます。


天亡簋
陝西省岐山県出土
高さ24.2p

 天亡簋の内側の底に78字の銘文があり、周の武王が商を滅ぼしたあと「天宮」で祭祀の大典をとりおこない、父の周・文王を祭り、また商王の地位にとって代わって天にいる神を祭ったことが記述されています。


宜侯夨簋
江蘇省丹徒県出土
高さ15.7p

 宜侯夨簋の内側の底に120字の銘文があり、西周が分封を実行したことに関する重要な史料が記されています。


康侯斧
河南省浚県出土
高さ9.1p 刃渡り6.8p

 この銅斧に「康侯」の銘文があります。康侯はつまり周の武王の弟の姫封で、衛国に封ぜられた最初の君主です。


匽侯盂
遼寧省カラチン左翼蒙古族自治県出土
高さ24p

 匽は「燕」という字で、燕国は周朝初期に分封した諸侯国です。


大盂鼎
陝西省眉県出土
高さ101.9p 口径77.8p

 この鼎の内壁に19行・291字の銘文があり、周の康王が23年9月、貴族の盂を冊封する史実が記載されています。
 西周金文の最も有名な代表作で、字配りはようやく整斉となり、書体も力強く、未だ殷代の影響を残し、しかも周後期の金文の先駆をなしています。


禹鼎
陝西省岐山県出土
高さ54.6p

 禹鼎の胴の内壁に207字の銘文があり、周王朝と南淮夷・東夷との間の関係および西周の軍事制度を記録した重要な史料です。

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